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ブラックエプロンを取った勉強法を言える範囲で書く【スタバのコーヒー資格】

カフェの現場

スターバックスの店頭で、たまに黒いエプロンの店員を見かけたことがあるはず。あれはコーヒーの知識試験に受かった人だけが着られる、ブラックエプロンという社内認定の証。

俺は元スタバ店員で、このブラックエプロンを働きながら取った。

ということで今回は、実際にやった勉強法を言える範囲で5つに分けて書く。市販の対策本が存在しない試験にどう挑んだか、暗記が苦手な人間がどう仕組みでカバーしたか。

カフェ店員じゃなくても、資格試験や暗記モノ全般にそのまま使える内容にしたつもり。

先に言っておくと、俺も最初は何もわからなかった。それでも受かるまでの道のりを順番に並べるので、いま何もわからない人にこそ読んでほしい。

あやたか

あやたかです。元スタバ店員。深煎りのコーヒーと、深入りした話を書いてます。【自己紹介 ・ お問い合わせ】

【結論】やったことはこの5つ

ぎっしり詰まった焙煎コーヒー豆
やったことねらい
①教材をざっと一周する点と点を繋ぐ布石
②公式の読み物で点を繋ぐ点が線になり始める
③一問一答に作り替えて毎日回す接触回数を稼ぐ
④とにかく飲む言葉と味を一致させる
⑤人から学び、教える側に回る最強のアウトプット

上から順に、だいたい時系列にもなっている。ひとつずつ説明していく。

ブラックエプロンとは

ドリッパーにお湯を注ぐバリスタ

スタバにはコーヒー知識を問う社内試験が年に1回あって、合格したパートナー(スタバでは従業員をこう呼ぶ)だけが黒いエプロンを着られる。店舗に数人いるかどうかの狭き門。

時間帯によっては1人もいないこともあれば、逆にその場の全員がブラックエプロンというレアな瞬間もあった。

試験の中身は社外秘なので書けないけど、範囲はとにかく広い。豆の産地、精製方法、焙煎、歴史、フードとの相性。コーヒーの百科事典を1冊頭に入れるのが一番近いイメージになる。

しかも市販の対策本はない。何をどう勉強するかの設計から、自分でやることになる。

きっかけ——コーヒーが得意じゃなかった

手に載せたコーヒーカップとソーサー

正直に言うと、俺はコーヒーがそんなに得意じゃなかったけど、この仕事は好きだった。カウンターでお客様が「美味しい」と笑ってくれる瞬間があったから。

資格が欲しかったというより、その一杯をもっと自信を持って手渡したかった。苦手だからこそ、詳しくない人にどう伝えれば喜んでもらえるかを本気で考えた。それが出発点だ。

勉強期間は3ヶ月。それで合格点スレスレだったから、これから書くのは天才の攻略法じゃなく、凡人が仕組みでしがみついた記録になる。

①教材をざっと一周する——覚えようとしない

開いた本と書き込んだノート

教材といっても市販品じゃなく、社内で先輩から受け継がれてきた手作りの対策資料。まずはこれをざっと一周する。

一周目はほとんど覚えられないけど、それでいい。「ふ〜ん」で流す。

これは手抜きではなく、あとで点と点を繋ぐための点を撒く作業なんだ。知らない単語が「見たことある単語」に変わるだけで、二周目からの吸収がまるで違う。

もうひとつ大事なのが、資料を鵜呑みにしないこと。作っているのは同じ現場の人間で、間違いや誤植が普通にある。

だから疑問に思ったところは、その都度公式サイトで調べ直した。この一手間で資料は初めて真価を発揮する。対策資料の最後のピースを当てはめるのは、勉強する自分自身。

②公式の読み物で点を繋ぐ

コーヒーを飲みながら本を読む女性

スタバはコーヒーの読み物を無料で公開している。俺が読み込んだのはHELLO COFFEEとSTARBUCKS STORIESの2つ。

HELLO COFFEEは豆の選び方から淹れ方までお客様向けにまとまっていて、基礎を固めるならまずここ。

STARBUCKS STORIESは農園の取り組みや商品開発の裏側など、最近の動きを追える。

試験のために読み始めたけど、読み物として普通に面白い。①で撒いた点がここで繋がり始めて、バラバラだった知識が線になる瞬間が確かにあった。

どちらも無料で誰でも読めるので、試験を受けない人にもおすすめできる。

③一問一答に作り替えて、毎日回す

タブレットの上に置かれたメモ帳と鉛筆

教材を頭から読む勉強は、俺には向いていなかった。読んだ気になるだけで残らない。

だから資料をバラして、全部「問いと答え」の形に作り替えた。この豆の産地は?この精製方式の特徴は?クイズにすれば、覚えたかどうかがその場でわかる。

最初は先輩たちの模擬問題を真似ながら、手作業で少しずつ作った。地味に時間が溶けた。

シフト勤務だとまとまった勉強時間は取りづらいけど、一問一答ならスキマ時間で回せる。勉強は量より接触回数だと思っている。

覚える範囲も1日1項目に刻んだ。今日はこの豆のコクと酸味だけ、と決めると挫折しない。

ちなみに俺が一番覚えられなかったのは、SCTC・ファーマーサポートセンター・GCQといった、世界のコーヒー部門の役割分担。白状すると、今でもたまに怪しい。

道具はiPad miniを使っていた。片手で持てるサイズなのに画面はスマホより広くて、一問一答を回すのにちょうどよかった。

そのくせ興が乗ると止まらなくて、一睡もせずに勉強してそのまま出勤した日もある。睡眠欲より興味が勝ったのは、自分でも意外だった。

この一問一答は、使いながら育てていった。覚えた問題は外して、覚えられない問題だけが残るように組み替えていく。

最後には、自分の苦手だけが詰まった専用の問題集ができあがった。教材を疑って、バラして、作り替える。結局これが一番頭に入った。

④とにかく飲む——ロースタリー東京は穴場

ケメックスでコーヒーを淹れるカフェの店員

知識だけだと、試験に受かっても接客で使えない。豆を変えて飲み比べて、フードと合わせて、言葉と味を一致させる時間を意識して作った。

それと、中目黒のスターバックス リザーブ ロースタリー 東京には何度か通った。店内で焙煎機が回る旗艦店で、普段の店舗にない豆や抽出方法に触れられる。

おすすめは雨の日の平日。空いているので、1階のカウンター席に座っていると店員さんがテイスティングを配ってくれたり、コーヒーの話をじっくりしてくれる。

え、そんなに構ってもらえるの?と思うかもしれない。混んでいる休日には難しいけど、静かな平日なら別で、俺はここで店員さんと知識合戦をするのが楽しみだった。

毎回は行けないけど、公式サイトからメニューが見られる。どんな豆と器具を扱っているか眺めるだけでも勉強になる。

ついでに言うと、飲み比べは普通に金がかかる。条件つきだけどスタバのチャージで10%や20%戻ってくるカードがあって、俺の使い分けはクレカ7枚の記事にまとめてある。

⑤人から学び、教える側に回る

机を囲んで勉強する学生たち

当時、社内にはコーヒー好きが集まる場があって、有志の作った模擬問題が転がっていた。詳しい先輩に話しかければ、対策資料を分けてもらえることもあった。

もらってばかりでも受かったかもしれないけど、途中から自分でも模擬問題を作って仲間に配る側に回った。これが結果的に一番効いた。人に出す問題を作ると、自分の穴が全部見える。

同じ店で働く仲間は、ライバルであり、共闘仲間でもあった。

今は社内の仕組みも変わっているはずで、同じやり方ができるとは限らない。ただ「教わったら、次は教える側に回る」は、どんな職場でも再現できると思う。

かかった金の話——シェアラウンジ月5万は痛すぎた

財布の中の千円札と小銭

綺麗な勉強法だけ並べても嘘になるので、金の失敗も書いておく。

勉強場所として、シェアラウンジを月極で契約していた。月5万。さらにiPad miniの購入代も乗る。

集中環境を金で買ったと言えば聞こえはいいけど、3ヶ月の受験勉強に払う額としてはどう考えてもエグい。痛すぎる。

取って終わりじゃない——毎年の更新制

コーヒー豆に囲まれた一杯のコーヒー

ブラックエプロンは一度取ったら永久、ではなく毎年の更新制。新しい豆は毎年出るので、知識にも毎年の上書きが要る仕組みになっている。

だからこそ、③のような自分用の仕組みを作っておく価値がある。一問一答は一度作れば、翌年は差分を足すだけで使い回せる。仕組みは資産になる。

取って何が変わったか

ラテアートを眺めるお客様

時給が劇的に上がるとか、そういう話はない。変わったのはお客様との会話だ。

「どんな味?」に自分の言葉で答えられるようになると、レジの30秒が世間話ではなく会話になる。

それと、お客様の見る目が変わる。ブラックエプロンの人に接客してほしい、ラテアートを作ってほしい、という指名がたまに入るようになった。

一度、「ブラックエプロンの人のラテアートが飲みたい」というリクエストを受けたことがある。しっかり決めて、お客様が喜んでくれた。あの瞬間、めちゃくちゃ脳汁が出た。

別のコーヒーチェーンでも働いた経験があるので、チェーンごとのコーヒーの設計思想の違いも見えるようになった。これはこれで面白いので、いずれ書く。

取ることはゴールじゃなかった

湯気の立つコーヒーカップ

最初は何もわからなくていい。俺も本当に何もわからなかった。

めげずに続けていると、撒いた点と点が線で繋がる瞬間が来る。勉強が楽しくなるのはそこからで、楽しくなればあとは勝手に進む。

取っても急にコーヒーが美味しく淹れられるようになるわけじゃないけど、コーヒーの話をする資格を自分に許せるようになる。それだけでレジの景色は変わった。

そしてもうひとつ。ブラックエプロンは、取るまでがゴールじゃなかった。

学び続けて、覚えたことをお客様や周りの人に還元できる人こそ、本当のコーヒーマスターだと思う。

実際、合格してからの方が楽しかった。もっと知りたくて勉強を続けたし、覚えたことは同僚やお客様に手渡した。あの瞬間が、この挑戦でいちばん好きだった。

この勉強法は、市販の教材がない試験に挑む人、暗記が苦手な人、働きながら勉強する人にそのまま使ってもらえるはず。まずは教材をざっと一周、点を撒くところから。

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